いい機会なのでビザの話でもしましょうか。


たとえアメリカ人の配偶者だろうと外国人がアメリカに居住するにはビザが必要なのを知っていますか?
アメリカに住むのに一番必要なのは語学力ではありません。ビザです。

一度にまとめると恐ろしい長文になるため今日は簡単にまとめます。

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ビザの種類は非移民ビザ、移民ビザに分類されます。

非移民ビザの種類/ 在日米国大使館ウエブサイト
http://www.ustraveldocs.com/jp_jp/jp-niv-typeall.asp
このビザだけでは永住できません。そのうち帰るビザです。
※駐在員や留学生はこの「非移民ビザ」を取得しアメリカに駐在しています。
※ビザ種別によってグリーンカード申請できるものと出来ないものがあります。
例えば(ざっくりした説明ですが)OとLはグリーンカードを取得できますがEはできません。
(追記:E3からGC取得したかたよりコメントを頂戴し、コメ欄に参考リンクを貼ってあります。)

わたしは2015年に移民ビザを取得してサンフランシスコに引っ越してきました。

移民ビザ/ 在日米国大使館ウエブサイト
https://jp.usembassy.gov/ja/visas-ja/immigrant-visas-ja/
このビザはグリーンカードとセットです。永住できます。

わたしはこのうち「家族に基づく移民ビザ米国市民の配偶者CR1ビザを取得してきました。市民とは米国市民権保持者=アメリカ国籍保持者のこと。
申請後取得までの期間は約10ヶ月です。取得期間は平均より速い方です。

※移民弁護士を使いました。
※弁護士費用の他、各申請料健康診断代(後述)など諸々で20万円くらいかかりました。
※配偶者ビザもすべてのビザと同じで申請すると必ず取得できるというわけではありません。
「自分の配偶者にビザを支給してください」と請願する米国市民に対するバックグラウンドチェックも厳しいです。
※IR1との違いは結婚してから何年経っているか。2年以上はIR1、2年未満がCR1。
これは偽装結婚でグリーンカードを取得するのを防止するためといわれており、CR1で取得できるグリーンカードは「条件付き永住権」の2年となります。
※配偶者の性別は同性異性無関係。同性婚でも普通に取得できます。

※グリーンカードは10年毎に更新が必要です。

※わたしが保持しているグリーンカードは次回更新で10年のものになります。
※一度取得したグリーンカードは一生ではなく様々な理由で剥奪されることがあります。
※グリーンカード保持者に選挙権はありません。
※グリーンカードは本当に緑色ですw(画像/Googleより拝借)

※グリーンカード取得後5年で市民権取得申請ができます。アメリカ国籍が取れるということです。(バックグラウンドチェックはもちろん面接形式のテストがあります。内容は簡単な筆記、聞き取り、予め渡される問題集から10問出題、6問以上正解で合格
(↑ 
訂正しました。ご指摘ありがとうございます
年齢により母国語でテストを受けられます。詳しくはコメント欄へどうぞ。)

※後述しますが政治運動などに参加していないかなどを申請書に記載する必要があります。
※犯罪歴がないかの確認があります。
※大使館窓口での面接があります。面接に合格しないとビザはでません。
(面接まで行ってるのに出ない人ももちろんいる)
※最終面接の前に大使館指定の病院で健康診断を受ける必要があります。指定病院は日本に4箇所しかありません。保険は使えません。(自費)結果によってはビザが出ません。
わたしはここで受けました。料金31500円の他にワクチン代で計約50000円。
アンチワクチンな人があめりかではーと謎理論を展開しているのを見かけますがアメリカはワクチンに非常にシビアです。規定ワクチンをすべて打たないとビザは出ません。
※一般的な健康診断の他、移民ビザは全裸になる検査があります。下着も脱ぎます。傷、入れ墨等全身をすべて確認され一つ一つ丁寧に記録されます。もちろんそのデータは米国内のセキュリティ関係省庁へ提出されます。

注意:上記移民ビザのリンク内雇用に基づく移民ビザ
E1〜5と書いてありますがこの”E”はいわゆる駐在員ビザ”Eビザ”のことではなくグリーンカード申請種別のE1〜5。誤解を招くので記載を少し変えるべきだと思う。

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わたしが配偶者ビザを申請→取得するまでの間は言うまでもなくオバマ政権です。
アメリカのビザ/移民政策は、元々とても厳しいのです。

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取得時の詳細は後日改めて書くとして、わたしはそもそも配偶者は普通にアメリカに入国しそのまま永住できるのかと結婚するまで思っていました。
ビザが必要なことを知った後も、申請後1ヶ月くらいで届くものだと思っていました。
当事者がこの程度の知識だったので、周囲が「まだ引っ越せないの?」「なんでまだビザでないの?」と言うのは仕方ないと。

ところが米国留学経験者、駐在経験者とその家族、現在アメリカに居住している日本人(市民権取得者も含む)さえも「まだ引っ越せないの?」「なんでまだビザでないの?」と。
いや普通のプロセスなんだけど…。
アメリカ在住経験がある、もしくは現在アメリカに住んでいる人で「ESTAでとりあえず入国しちゃえばいいじゃん〜」という人が多かったことにも驚きました。これを言うのは本当に日本人だけでした。
(飲み屋にいる全然知らない外国人ですらちらっと言うとほぼ100%その人もしくは親族友人の経験談からすっごい長話になる。そしてめちゃくちゃ励まされる)

日本人のビザ知識は例え海外経験があろうとこれが一般的です。島国だからなのか日本のパスポートはビザなし渡航できる国が多いからかはわかりませんがちょっと独特です。
ESTAで「とりあえず入国」できる、とりあえず入国したら「なんとかなると」思っちゃう。居住目的で「ESTAでとりあえず入国」するのは紛れもない不法入国です。
無知からその発言に至るのは仕方のないことですが、アメリカ居住経験があったり今も住んでいるのにその発言になるのはなぜなのか…。でも本当によくいわれます。
入管の判断で上陸拒否、強制送還されてしまったらその後反省してビザを申請したところで取得は非常に難しいだけではなく一生アメリカに入国できない可能性があります。運良く「とりあえず」入国が出来てもその後は立派な不法移民です。

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海外生活をすすめる人やTwitterなどの海外アカウントにはTOEFLやTOEIC、英語がどうの発音がああだという人が一定数いるのですが、いくら英語が話せても何らかのビザがないとアメリカには住めません。なのにビザ話をする人をあまり見ません。
もしこの先アメリカで生活することを考えている人は英語を学ぶのと同時にどうやってどんなビザを取得してアメリカに住むか人生設計がてら一度調べてみるのがいいと思います。

既に住んでいる人で「グリーンカードを取る基準」を満たしているなら絶対取ったほうがいいです。非移民ビザの場合、レイオフや倒産などでビザ資格を失うこともあります。当面食べていくお金があったとしてもビザがないと居住し続けることができません。

※残念ながら日系企業の中には永住権取得サポートを一切してくれないだけではなく、取得するとそれが理由でクビを切るところがあります。こういう情報はその地域に住む人が詳しいのでツテがあるなら聞いてみましょう。さすがにその企業名をブログにはかけませんw

注意:ビザシステムとその情報は急に変更されることが多く、私がここまで書いた情報が既に変更されている場合がありその内容を保証出来ません。
かならず米国移民局 https://www.uscis.gov/ の最新情報を確認してください。

※なんか間違ってたら教えて下さいね!w

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さて
上に書いた通り移民ビザ非移民ビザのほとんどで自分の住民票ある場所の警察署(東京だと警視庁)発行の無罪証明が必要です。開封無効。自分でその内容を確認することは出来ません。(参考:Wikipedia
無罪証明を取得しに行くとすべての指の指紋を採取されます。発行は公安部/刑事部のいずれか。

(非移民ビザのことはわからないのですが)移民ビザは自分を含め家族が政治運動に関わってないかを問われます。
書くべきか迷いましたが反原発や基地問題などの政治批判運動に参加している学生のみなさん、お子さんお孫さんのいらっしゃるかた、深く関わる前に主催団体をよく確認することを強く推奨します。
個人の主義主張に興味はありませんが、学生のみなさん、深く関わるのは将来へのリスクを伴うことを決して忘れないでください。お子さんお孫さんのいらっしゃるかた、「お子さんやお孫さんの未来のため」という強い信念をお持ちのかたも多いかと思います。ですがその行動は残念ながらお子さんやお孫さんの将来を妨害する行為になる可能性があるということは決して忘れないでください。
※ちょっとデモに参加した程度ではもちろん何の問題もありません。

わたしは結婚するまでアメリカに全く興味がなく遊びに行きたいと思ったこともなく、英語も別に通訳さんがいれば話せなくてもいいと思っていました。人生何が起きるか本当にわかりません。自分はもちろん家族がそういう運動や団体に一切参加していなかったことに感謝します。

参考:米国国家安全保障局ウエブサイトより(英文)
https://www.uscis.gov/ilink/docView/SLB/HTML/SLB/0-0-0-1/0-0-0-11261/0-0-0-30743/0-0-0-30748.html
移民ビザを許可できないバックグラウンドへの定義と解説

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余談
本日ネット上を駆け巡っている「トランプ新大統領が中東7カ国に渡航した人の入国を制限する」というニュースですが

参考リンク:Trump’s Immigration Ban Excludes Countries With Business Ties (Bloomberg)※禁止地域の地図がわかりやすいのでこれにしました。赤が禁止地域です。

「指定7カ国に入国滞在してから90日以内の外国人はアメリカに入国できなくなった」という内容です。今までは「入国拒否される可能性がある」でしたが更に厳しくなっただけ。もちろん日本人の米国ビザホルダーも渡航歴があれば普通に該当します。
日本語で批判と共に不確かな情報を拡散しているかたをみかけますが、震災の時にネットの使い方学んでないんでしょうか。

※昨年から既にイラン渡航歴のある人はビザ免除プログラムであるESTAでのアメリカ入国ができなくなっております。該当者は観光でも入国にBビザ取得が必要です。(問題がなければすぐとれます)
※イランに観光にいったことあるけどまぁいいや行けばその場でなんとかなるでしょ、みたいな人、なりません。それは大きな間違いです。入国拒否されたという履歴は後々影響します。

※追記:
連邦裁判所が大統領令を一時停止。皆さん入国できているようです。
Federal court halts Trump’s immigration ban
http://www.theverge.com/2017/1/28/14427086/federal-court-halts-trumps-immigration-ban

12月にラスベガスに行く時、セキュリティチェックで私達の後ろに並んでいたシリコンバレー大手企業の顔写真付きIDをプレートをカバンに下げている、ごく普通の中東系の人が執拗な身元照会、執拗な荷物チェックを受けているのに文句ひとつ言わず、慣れた様子でにこやかに応対していました。見ていた人は全員ため息混じりに気の毒だかわいそうだと言っていました。
誰かどう見ても身元がはっきりしていてバックグラウンドに問題なさそうな人に対してもそんな感じ。仕事なのはわかります。それが安全のためだということもわかります。ですが中東系の人に対するセキュリティチェックは既に厳しすぎでしょう。
そしてわたしはこれを全く他人事だとは思えません。わたしが執拗なセキュリティーチェックを受けずに済んでいるのはたまたま日本から「近年」国際的なテロリストが出ていないからで、明日は我が身です。

※近年というのはここ10−15年のことです。

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ブログ書きはじめて1年経ったので、ランキングサイトに登録してみました。
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追記:配偶者ビザ取得に関して最近書かれたものでしかも超親切でわかりやすいものを見つけました
Everyday’s a New day☆
http://blog.livedoor.jp/a30052224/archives/51493968.html
自分が取得してる最中にこういうのを読みたかった〜!

いい機会なのでビザの話でもしましょうか。」への9件のフィードバック

  1. グリーンカードの取得に関しては、同性婚ではまだ無理だと思いますよ。いつか認められるかも、と思っていたけれどトランプになったので暫くはないと思います。

    いいね

    1. コメントありがとうございます!
      同性婚での取得は公式に認められております。

      参考
      Same-Sex Marriages
      Statement from Secretary of Homeland Security Janet Napolitano on July 1, 2013

      https://www.uscis.gov/family/same-sex-marriages

      また、日本人で同性婚でグリーンカードを取得されている方もいらっしゃいます。同性婚 グリーンカード で検索するとヒットしますよ。

      参考
      ameblo.jp/gay-japan-us/

      トランプ政権は同性婚を否定しておりません。(政権メンバーそれぞれの思想は別問題)

      余談ですが同性婚はもう珍しくない、というか特筆することでもないごく普通のことです。わたしの住んでいるマンションは半分が同性婚のカップルです。

      いいね

  2. こんにちは。私は元駐在員でEビザからグリーンカードにステータス変更しました。Eビザでも申請は可能です。
    Lとの違いは、最終ステップの移民局への申請中に米国外に出れないということです。
    私は雇用者ベースのEB3カテゴリーで
    だったので弁護士の先生にお願いしてカード取得までちょうど2年かかりました。オバマ前政権中でしたが、毎日がストレスの連続でした。現在GCまたは労働/学生ビザ申請中の方々は不安で眠れない日々をお過ごしと思います。
    早く正常化することを願っています。

    いいね

    1. コメントありがとうございます。ブログ拝見しました、ドローンいいですね〜。

      さてご指摘のEビザでのグリーンカード取得ですが、EビザのDual Intentですね。文中にコメ欄参照するように追加します。ありがとうございます。

      先に参考リンク貼ります

      E-1
      http://www.simonebertollini.com/Immigration-Law/Business-Immigration/E-1-Visa.aspx

      E-2
      https://www.hg.org/article.asp?id=31666

      E-3
      https://visacoach.org/tag/e3-visa-dual-intent/

      ・permanent labor certification という単願が通ればEビザからグリーンカードに切り替えることもできるけど、拒否されて本国強制送還というリスクもある
      ・Dual Intentにするには「雇用上、この人は永住する必要がある」という嘆願書を雇用主が出す必要があって、それが通るかどうかは保証はできない
      ・拒否されないこともある

      つまりは移民弁護士の腕次第ということでしょうか。厳しい…。参考までに弁護士はどうやって探し、選ばれたのですか?
      わたしも弁護士に依頼しましたが途中で意思疎通がいまひとつはかれなくなり、書類に関する見解の相違もあり逆にストレスになってしまいました。
      もしあの時弁護士の判断に任せていたらビザ取得が半年以上遅れていたでしょう。総合すると弁護士通してよかったという結論になるのですが、その弁護士選びもまた大事だなと思います。

      いいね

      1. 僕が最初にアメリカにきたのが2003年。その時はLビザでした。それを諸事情でE2に変更しています。
        前の会社が契約していたNYの弁護士は、その当時からのお付き合いです。こちらの事情もよくわかっていたので、会社を辞める前からグリーンカードを取るまでの戦略をメールと電話で何度も相談しました。
        当時も今も私はLAに住んでいまして、実際には一度もお会いしたことがないんですよね。
        雇用ベースの申請は、おっしゃるとおりまずは労働局の承認が必要です。準備期間半年、申請して承認されるまで半年。それが終わってから
        やっと移民局への申請ですが、
        申請の順番待ちに数年かかることがあります。僕がラッキーだったのは
        順番待ちがゼロだったことです。
        本当にグリーンカードってタイミング次第なんだなぁとつくづく思いました。
        駐在員がグリーンカードを取るのは
        会社がバックアップ(ただ職歴証明のレター)があれば容易なんですが、日本の会社って変な前例を作りたくないとか思うんだろうなぁ…

        いいね: 1人

  3. はじめまして。現在アメリカに25年住んでます。GCはDCで取得して申請から取得まで4年掛かりました。当時は弁護士次第で結構、進みも変わって来ましたね。最初の弁護士が白人で全く動かずに挙句の果てに資料をなくしやがって…で、チャイニーズの弁護士に変えたらトントン拍子に進みあっと言う間に面接でした。それは良いとして市民権の試験がこの様に記載されてますけど変わったんですか?!➡内容は簡単な筆記、聞き取り、予め渡される問題集から6問出題、4問以上正解で合格)となってますけど…通常と言うか今までは100問の問題から10問抜粋されて、その内の6問正解で合格と言うのがここ何年も行われてる試験ですけど…20年以上住んでる方は筆記や書き取りの試験は免除、取得後20年経過、50歳以上だと母国語での試験も可能等々ございますけど、CIVIC TESTに関しては変わって無い気がしますけど、如何でしょうか?!

    いいね

    1. こんにちは。コメントありがとうございます!
      ご指摘の通りです。書き直します。
      但し10問中6問正解で合格、残り4問を出題されることはありません。

      50歳以上で米国に20年/55歳以上で15年
      は母国語でのテストが可能です。
      65歳以上で25年
      は100問ではなく20問に限定されその中から出題されます。

      参考
      https://www.uscis.gov/us-citizenship/citizenship-through-naturalization/exceptions-accommodations

      https://www.uscis.gov/sites/default/files/USCIS/Office%20of%20Citizenship/Citizenship%20Resource%20Center%20Site/Publications/PDFs/65-20q.pdf

      いいね: 1人

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