SIP(shelter in place)/ Stay Home を振り返る

振り返る、といっても終わったわけではないのですが、17日でSIPがスタートして丸二ヶ月経ちます。この辺で一度振り返ってみようかなと思います。

1.買い物

うちは食料品をwhole foodsと土曜日のファーマーズマーケット、good eggsという宅配サービスで調達していたのですが、whole foodsに買い物に行くのをやめました。4月は一度も行かず、今月もまだ一度も行ってない。

理由は行列のながさ

後述しますがうちは「過剰な警戒」にも「過剰な安心感」どちらにも否定的で、SIPで出かけるところが無くなった、以外はあまり変化のない日常生活を送っていました。しかし

混雑しているところで味わう居心地の悪さ

に耐えられず行くのをやめました。
居心地の悪さとは、いうまでもなく感染への恐怖だったり、また、アジア人、それだけではないどこの誰だかわからない他人に対する冷淡な視線であったりといろいろなものが相まって生まれる「居心地の悪さ」です。

スーパーを出て、クルマに乗り、マスクと使い捨て手袋を外し、溜息と深呼吸の混じったような深い呼吸をした後にどっと訪れる疲労感。

 

これいつまで続くんだろ

 

朝イチは閑散としていたファーマーズマーケットも毎週人が増えていき、何を買うにもSocial distancingを保った列に並び、自分で野菜を丁寧に選びピックアップすることができなくなり、宅配はウエブサイトにアクセス出来ない時間が増え、その後週一でしか買えなくなり、その週一に自分の欲しいものが揃ってるとも限らない(ちょっとコツが必要になった)等、そんなことはスーパーで味わう居心地の悪さに比べれば、全然。

みんな卵がない牛乳がないと言っていても、うちは卵2パック、牛乳1/2ガロン、気に入っていつも買っているメーカーの物を毎週欠かさず買えました。good eggsには感謝しかないです。

*good eggs、本日より中6日規制が中4日規制になりました。


2.感染対策的なこと

 

2ドル札が珍しくて撮ったんですが、手袋をしてますよね。
これは使い捨て手袋。医療機関や飲食店、どこでも使われているものです。
マスクだけではなく手袋を買い物の時は必ずつけました。
うちはマスク<手袋、でした。
自分の為でもありますし、こちらはお金やカードの受け渡しにかなり神経質で、カードを消毒してから返すところも少なくありません。
お店の人にも安心して、気分良く接客してもらうために手袋をしました。

*今はマスク着用が義務化され、食料品店等建物の中に入る時、何かの列に並ぶ時、店頭で商品を受け取る時はマスク必須となりました。
*サンフランシスコ市では散歩/ジョギング中のマスクは必要ありませんが、隣接市町村では必要なところもあります。

外から帰ってきたら手を洗うスマホを拭く、等はコロナウイルス関係なくごく当たり前のことですが、うちはクルマに消毒用アルコールを旅行用の霧吹きに入れたものを常備し

お店から出る→車のドアを開ける→中からアルコールを出す→手がビシャビシャになるまでかける→クルマのドアノブにもかける→10数えてから伸ばして乗車

というおまじないを毎回やっていました。
正直殺菌目的というより(殺菌効果はわからないので)精神の安定のためです。
やらないよりマシ。

3.最も気をつけたこと

「過剰な警戒を煽る人」も「過剰に安心を煽る人」、両方とも距離を置きました。

「過剰な警戒を煽る人」を見ていると、自分ももっと気をつけた方がいいのか、今のままで大丈夫なのか不安になりますし、「過剰に安心を煽る人」を見ているとイライラします。過剰な警戒勢は、この騒動が終っても非科学的なことからなかなか抜け出せないでしょうし、過剰に安心を煽る人、実は誰よりも不安を抱いているタイプで安心感を求めて煽っていたりします。
どっちもどっち。どちらを見てもメリットは全くありません。

規制やストレスの多い日々の中でも楽しく過ごす工夫をしている人を見ていた方が精神衛生上良いに決まってます。
自分自身の(ツイッターでの)発信もそう思ってもらえるような内容のものを心がけました。

人の行動を気にする暇があったら、少しでも快適に、できる範囲内で楽しく過ごすことを考えるべきで、かといって無理に楽しさを演出することもなく、いつもと同じ生活を心がけるのが一番、という結論に達しました。


なんだかんだいってみんな思うことは一緒。

 

早く終わって欲しいね。

サンフランシスコとコロナウイルス

3月16日月曜日、サンフランシスコ市はコロナウイルス感染拡大の防止のため、市民に不要不急の外出の自粛を要請しました。期間は3月17日火曜日〜4月7日火曜日までの3週間。
前日に出されたバー、ワイナリーの営業自粛要請に続いてジム等もクローズ、レストランはキャパを絞って営業することが可能でしたが、殆どが自粛。持ち帰りのみの営業になりました。
その他スーパーマーケット、ホームセンター、ドラッグストア、ペット用品店等、生活に必要な店は引き続き通常営業を続けています。

翌朝、都心部から人が消えました。
会社、みんなWFH(Work From Homeの略日本でいうテレワーク)だからね。
歩いている人でマスクをしている人もぐっと増えました。
といっても1割から3割に増えた程度。

↑これはオフィス街

↑これは金融街と隣接するイタリア街の様子。
余談だけどサンフランシスコは中華街とイタリア街が隣接しています。

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フェリービルはほとんどのお店が休みに。
最後の画像はチーズ販売店で営業は可能でしたが閉めてしまいました。
日系の惣菜屋さん(日本のデパ地下のRF1みたいの)は営業を続けるそうです。

DELICA
http://www.delicasf.com/

*3月18日水曜日現在の情報です
その他
アイスクリーム(https://www.humphryslocombe.com/
パン(https://www.ferrybuildingmarketplace.com/merchants/acme-bread-company/
チーズケーキ(https://www.ferrybuildingmarketplace.com/merchants/san-francisco-cheesecake-co/
エンパナーダ(https://www.ferrybuildingmarketplace.com/merchants/el-porteno-empanadas/
上記計5店舗が引き続き営業しています。

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Shelter in place を強めの外出禁止令だと勘違いしてしまった人も少なくなかったようですが、買い物だけではなく、ジョギング、散歩などは ”social distance” (感染防止に適切な人との物理的距離。だいたい180cmくらい)を保つ範囲で全然出来ます。

(わざと引きで撮ってますので気になる人はピンチして拡大してください)

わたしたちが「宗兄弟のどっちか」と名付けているおにいさんも相変わらず毎日同じ時間にジョギングしていますし、海沿いの遊歩道はむしろ人が増えました。

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話が前後しますが、パニック買いがはじまったのは、先月末2月29日土曜日のことでした。
生活保護(のようなもの)支給日と、ベイエリアの南側で感染者が増え始めたことが重なったのが原因ではないかと個人的に推測しています。そのためコストコに比べると割高なすぐ側のお店Targetの紙類はすごくよく売れてるなという程度でした。

これ以前からすでに消毒薬などは売れ、棚が空になっていました。

アジア系の人達がお米の買い占めに走ったのも同じ時期。
日系スーパーからはお米が消えました。

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(人物が写ってるので塗りつぶしてあります。友人撮影)

この後、在庫は一気に回復します。

以降、世界中どこでも同じでしょうが、品薄なものはトイペ、パスタ。確かにいつ行ってもスーパーは混み合う様になりましたが慌ててモノを買う状態ではありませんでした。
家の紙類はいつもどおりWalmartのオンラインで普通に注文、配送も翌々日でした。

ところが、事態は先週末、13日の金曜日に急変します。
大統領がコロナウイルスについて記者会見をするという報道があり、その後ニューヨークのマンハッタンがロックダウン(都市封鎖)されるという噂が一気に広まった日です。この日を境にWhole Foods Marketの当日配送が全く機能しなくなりました。
用事があり空港近くまで行っていたので、まず定点観測している同じTargetに寄ってみました。


なぜか猫砂まで売れている。お一人様一個の張り紙をアメリカでみるのは初めてでした。


冷凍庫からっぽ。たぶん冷凍野菜だと思うんだけど、何が入ってたのかもはやわかんない。

うちは食品、洗剤、紙類は豊富にあるのですが、アップルパイを作るパイシートだけは是が非でも確保したく、帰り、15時頃うちの近くのWhole Foods Marketに寄ると


ものすごい人。生肉がない。全然ない。対面肉コーナーは長蛇の列。(列の横がパック入りの生肉)でももうほぼ完売。3枚目は卵。一個も残ってない。
普通の量しか買ってない人も少なくなかったのですが、パニック買いというよりは

「なにかに備えるための買いだめ」

混雑しているところを避けたり、”social distance” なんかまるで無縁。

わたしは無事パイシートとりんごと牛乳を確保して帰宅。
夕方には玉ねぎの皮程度しか残ってない位買い尽くされていたそうです。

日曜日
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仕入れすぎだろ、どうするの?と思っていた日系スーパーのお米は見事売れていました。
なぜかおいしい方のお米はたくさん残ってた。

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話は戻って、今日18日水曜日。外出自粛3日目。午前10時半過ぎ
どうでもいいけど、生まれて初めてパジャマにフリース羽織って外出した。寒かった。

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すいている。
保たれる”social distance”

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普段よりきっちり商品がある牛乳類

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相変わらずからっぽの棚もあります(これ元がなんだかわからない)

肉は鶏肉だけ相変わらず欠品。
牛、豚はいつもどおり。パック肉より対面のほうが豊富。
奥にちらっと写っている冷蔵庫はヨーグルト類。いつもと同じ品揃えでした。
パスタはPB商品だけ大量にあった。たまごも並べている最中だった。

外出自粛の効果は感染拡大抑止だけではないんだと痛感しました。

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今日も無事パイシートを確保。
細く切ってそのまま砂糖まぶして焼くだけですごくおいしいのですごくおすすめです。

食べ物の在庫が豊富になって皆少し安心したのか、地元ニュースで「外に出て運動して健康を保とう」という有識者の見解が流れたからか、はたまた先の見えないひきこもり生活にすでに飽きはじめているのかはわかりませんが

今日の海沿いはここ何日かで最も人がいました。公園の遊具で遊んでいるお子さんもいました。今は夏時間がはじまり、夕方が少し長くなり、「寒い夏」が来る前の楽しい季節でもあります。こもってばかりはもったいないですからね。

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でも

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今朝からうちの近所は板を打ち付ける作業をしているお店が増えました。暴動(略奪)対策だと思います。明らかにホームレスが増えて雰囲気はよろしくなく、店舗に常駐している警官も営業自粛でもちろん居ないので、正直、コロナウイルスよりこちらのほうが不安です。
同じ建物にも避難する人が出てきました。

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3週間、どうか皆様安全に、少しでも心豊かに過ごしましょう。

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うちに来てから体重が4キロ増えました。すくすく。

新しい日々のはじまり

約1年前、3月の終わり、わたしたちはしょんぼりしながら無言で車に乗っていた。

前年の感謝祭の日にわたしが東京から連れてきた黒いラブラドールが14歳で天寿を全うし、間髪入れずにイヌを飼うべく毎週のようにサンフランシスコ市内や近郊のアダプト(里親さがし)センターに通うものの、なかなか縁に恵まれなかったためだ。

焦らず探そう。今日はとりあえずJaneでコーヒーでも飲んで帰ろう。

お店の少し手前に車を停めたら、坂の上から、ノーリードの黒いツヤツヤのラブラドールが歩いてきた。うちのイヌの若い時にそっくりだった。ちょっとくせ毛気味の毛並みもヘラヘラと笑ってるように見える顔もよく似ていた。夢でも見てるのかと思った。少し過剰なくらいイヌに寛容なサンフランシスコでもあんな人通りの多い週末の午後にノーリード、しかもよく似た黒いラブラドールとか奇遇にも程がある。もちろん夢ではない。彼は並びのBenefit Cosmeticsに入っていった。おやつをもらっていた。程なくして飼い主さんらしき背の大きい白人男性が「彼は毎日ここでおやつをもらうんだよ〜」と話しかけてきた。

即聞いた。
「ブリーダーさんを教えてもらってもいいですか?」
「わたし、去年飼ってたラブラドールが亡くなって……今新しいイヌを探し」
まで言うと、飼い主さんは

何歳だったの??
東京から連れてきたの?すごいすごい!
写真持ってる?見せて見せて!!わーかわいいなぁ
顔真っ白だね! 僕の前のイヌと同じだよ!
前のイヌも黒いラブラドールだったの!
次のイヌも絶対ラブラドールにしなよ!

イタリアのトスカーナってわかる?日本人ならわかるよね。
Tuscanyね。それと同じ名前のブリーダーさん。Tuscany Kennel
場所はUC Davisわかる?そのDavisの隣のwintersってとこ。ググって連絡してみて!
僕のイヌの名前はBoxster。オーナーに教えてもらったって言って!
結構待つと思うよ!僕は8ヶ月待ったよ!

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すぐ検索したものの何故か全く見つけられない。3時間ほど必死で探し、ようやく「ブリーダー情報交換サイト」に、とても似た名前のブリーダーさんを見つけた。
連絡先は記載されておらずそのサイト内からとりあえずメッセージを送れるようになっていた。
「私達は去年14歳のラブラドールを亡くしました。今日、Boxsterくんのオーナーから聞いたブリーダーさんが、そちらではないかと思います。是非連絡をください」
藁をもすがる思いで文字制限のある中全て盛り込んで送ると、すぐ連絡が来た。

「Boxsterは確かにうちの子です。ウェイトリストいれますね。連絡先詳細を教えてください。」
これだけだった。
ブリーダー界は農場と同じ白人中心の世界。偏見かもしれないけど英語のたどたどしいアジア人にはかなり冷たい。(過去にドッグショーを見に行ったことがあり同じカリフォルニアでもこんなに違うものかとカルチャーショックだった)ましてや連絡先を公表していないようなブリーダーさんなら尚更である。
連絡先詳細を送るついでに自分たちの経歴とイヌの思い出と写真をいっぱい貼って送った。

「色は何色が良い?男の子?女の子?ウェイトリストは次の次の交配までいっぱいだから最短でもクリスマスになるよ!でも必ず連絡するから待ってて!」

次に届いたものは最初と全く違う気さくな文面になった。

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ところがその後ブリーダーさんから特に連絡がないまま12月を迎えた。
Boxsterくんも一度も見かけなかった。
クリスマスカードは一応送った。でももう諦めてた。

イヌのいない生活は慣れてしまうと快適だった。
好きな時間に起き、天気予報を気にする必要もない。雨降りを過剰に気にすることもない。食事に出かけて足早に帰ってくることもない。寒い中眠い中外に行かなくてもよい。
わたしはイヌを失ったけど自由な時間を手に入れた。それはそれで楽しい。

もうイヌ飼わないかも。

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「クリスマスカードありがとう!イヌ生まれたから見に来て!」

 

年明けに唐突に連絡が来た。最初に見に行ったのは1月10日。
ブリーダーさんご夫妻は白人。とてもいい人達で感激してしまうほど。
話が盛り上がって帰りに自家製ジャーキーをお土産に頂いた。
成犬しか見たことのない旦那はまだチワワくらいの子犬のあまりのかわいさに泣きそうになっていた。でも即決することが出来ない。

翌日、やっぱ諦めようか……と車の中で話してたら、黒いピカピカの、ノーリードのラブラドールがボールくわえたまま信号待ちしてた。二度見した。
Boxsterくんだった。

嘘でしょう?こんなことってある???

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2月に入り、もう一度見にいくと頭数は半分になっていた。
悩んだ。今日は決断しないとダメだ。

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売約済み印をつけられる名称未設定ちゃん2ヶ月。

ここまできても、なんだか実感がなかった。
友達に話すわけでもなく(この投稿で皆初めて知る)

わたしはほんとうにいぬをまたかうの?

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先週、とりあえず必要なものを物色しにベイエリア中のペットグッズ屋さんを見て回り、ペットフードの最新知識を叩き込み、いよいよ心の準備ができた。
その帰り道に、なんと、また、黒いピカピカの、ノーリードのラブラドールがボールをくわえたまま信号渡ってた。もちろんBoxsterくんだ。

アニメでもこんないい所で偶然登場する展開そうないってば。

今回は流石に車を停めた。急ブレーキ踏んだので後ろの車にめちゃくちゃ怒られたけどそんなのどうでも良かった。とにかく窓あけて大声で呼んだ。

「わたしたちのことを覚えている?」

おお!!もちろん覚えてるよ!その後どうなった!

「来週来る!」

電話番号を交換した。飼い主さんのお名前はヨハンさんという。
わたしたちにまたイヌを飼うきっかけを与えてくれたのはヨハンさんではない。
Boxsterくんだ。

これは間違いなく縁だ。

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今日、名称未設定ちゃんを迎えに行き、連れて帰ってきました。
3ヶ月、予想外に大きくなっていてすでに24lbs(約11kg)
一番喜んだのはわたしでも旦那でもない、ネコ。
ネコは全く警戒せず、子犬にニオイ嗅がれまくっても怒らず、兄貴風を吹かせている。

わたしの、新しい日々がはじまる。

 

 

 

SNSの先にあるアナログの良さ

今シーズン(2019-2020ホリデーシーズン)は一年ぶりにクリスマスカードと年賀状の中間のようなものを出した。前シーズンは感謝祭にイヌが死んで全然全くそんなものを作る気力がなかったので一年ぶりになる。

年賀状文化が廃れつつある日本からは考えられないかもしれないが、こちらのホリデーカード文化は凄まじい。もともとカード専門店もあるし(紙もの専門店みたいな感じ。ラッピングペーパー等も売っている。例https://www.papersource.com/ )スーパーやドラッグストアにも必ずカードコーナーがある。ホリデーカードは家族写真の写真を使って作成する人が多く、その写真をわざわざ撮る家庭も少なくない。が、カード自体はとても気軽に作成できる。
わたしがいつも使うのはShutterflyというサイト。
https://www.shutterfly.com/
だいたいどこも同じシステムで、スマホに保存されてる写真を使い、デザインやフォント、入れる封筒(差出人の住所も入れられる)をポチポチと選び注文完了。
宛名はシールに印刷したものを貼ればいいし、精神的障壁は意外と低め。

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老若男女問わずだれでもSNSをやっている現代、たとえ自分がつながってなくても誰かがつながっているからまぁいいや、と思いがちだ。もちろんわたしもそうだし、特に不便を感じることも困ることもなかっ「た」。過去形である。

一昨年、イヌがもうそろそろだな、という時にどうしても連絡を取りたい人がいた。
もう何代目かわからない位イヌを飼い続けている母より一世代若い年代の近くに住んでいた女性で、わたしは彼女を師だと思っている。
どうしても連絡を取りたいのだが、わたしが知っているのは住所だけ。手紙を書く時間はたっぷりあっても残されてる時間がない。

困った私は「自分がSNSでつながっていて、公園で同じ時間に犬の散歩をしているであろう、彼女と挨拶程度は交わす人」に連絡した。
最近見かけますか?もし見かけたらどうか電話で連絡をくださいと伝えてください。
冷静に考えるとなんて責任重大なことを気軽に頼んじゃったんだろ…と申し訳ない気持ちでいっぱいになる。私だったら翌朝もその翌朝も見つけるまで必死に探すかも…。2-3日後に「電話番号伝えた!」とメッセージが来て、その日の夕方無事に連絡が来た。
年をとって耳がほとんど聞こえないはずの我が家のかわいい老犬さんは、師の声をiPhoneのスピーカーで聞き、ガバっと起き上がりめちゃくちゃしっぽを振った。嘘でしょう?

SNSと古風な近所付き合いの良さが融合した瞬間である。

SNS付き合いも手軽で悪くないし、古風な付き合いもまた悪くない。

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住所が変わってる友達に「新しい住所教えて!」とSNSでメッセージを送ると「私も送る!なんか面白いご当地カード探すね!」住所はSNSで聞く、その先は古風なアナログの郵便で届く。この無駄なめんどくささが逆に面白さを生んで、後日届くご当地カードやその人の好きなものに基づいた切手や葉書がー!

1枚目左は在シンガポールの友達。SNSではよく会話するけどもう長らく会ってないんだよね。元気かな。右はハワイに旅行中の友達がわざわざ送ってくれた。しあわせそうで良い!
2枚目を送ってくれたのは人生ずっとネコを飼ってた日本で近所に住んでたおばあさん。FBでつながってる。ご自身の年齢からネコを飼うことを諦めてしまったそうなんだけど、ネコ愛が滲み出てる。葉書もネコなんです。

みんな最高でしょう?

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ところで、この記事実は来年のホリデーカードシーズンに、完全に自分のためだけ、自分のカード作成モチベアップのために載せようと思ってた。もちろん手紙や葉書は一年中いつ出してもいいけど、多少誰かのモチベにもなるためにはたくさんの人が出す時期に載せたほうがいい。

土曜日に師からカードとお手紙が来たのです。

師は毎年必ずサンフランシスコのチャイニーズニューイヤーパレードの前後にドンピシャでカードを送ってくれる。4年連続。もしかして調べてくれてるのかな?と思いながら開封。

去年まではわたしの敬称がイヌ友達にありがちな「◯◯(イヌの名前)のママ」だった。
わたしも多くのイヌ友達をそう呼ぶ。◯◯のママ、◯◯のパパ。

今年は「まこ」だった。

わたしはもう◯◯のママではないから。だってイヌはもういない。神様のイヌになってから1年以上経つ。だから呼称はわたしの名前。
他人から見たらなんてことないことなんだけど、そうだよね、わたしもう◯◯のママではないよね、と、なんとなくちょっとシャキッとして前を向き直すきっかけをもらっちゃって…。
さすが師。

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アナログ、悪くないでしょう?

「ありがとう」と言える人達

東京の友人が出張で来ていた。
かなり頻繁に来るので近隣に住んでる知人友人より会う回数が多い。

わたしのレストラン知識は食通であるその友人を饗すために構築されたと言っても良い。ありとあらゆるレストランに行ったが、今回は、自分が最近最も気に入っている、小洒落てるけど気軽に飲めるお店に連れて行った。なんとなく。

その友人とは、10年ほど前にTwitter経由で知り合った。別の友人が海外駐在を終え帰国して集まるようになった後のよくある飲み会だったと記憶している。今これを書いていて10年は言いすぎじゃん?と思ったがわたしがアメリカに引っ越してきて5年、Twitterがサービスを開始したのは2006年3月21日、震災は2011年だしどう考えても最低10年経ってる。驚き。

「いやーまこちゃん、お礼言いたかったんだよ」
自己紹介のあと、彼は言った。

「前に気に入ってるジャケットの袖が解れたってツイートしたら、お直しやさん教えてくれたでしょう」「あれ本当に嬉しかったんだよありがとう」

超びっくりした。何年も前のことで、よくTwitterで見かけるタイプの特に珍しくもなんともない他愛もないやり取りの一つで、そんないちいちわざわざお礼言うようなことでもないじゃん?
でも嬉しかった。すごい嬉しかった。お礼言われたこっちがめちゃくちゃ感激した。
その感激は未だに色鮮やかな思い出として残っていて、本人と毎回この話になる。

こういう「ありがとう」をさらっと言える人達ってのは結構いる。

こちらに住んでしばらく経った頃、朝、旦那と年を取りヨチヨチ歩きの犬を散歩していたら通勤中の女性が声をかけてきた。この辺の人は老若男女問わず基本的に皆話し好きで、通勤中の人が声をかけてくることは珍しくなかったのだが、その女性は、日本語で、こう言った。

「まこさんですよね、Twitterでワンちゃんの写真いつも見てて」

えええええええ
でもこれがきっかけで彼女と食事に行くことになった。
そして彼女は言った。

「お礼が言いたかった、ありがとう」

繰り返すが、よくTwitterで見かけるタイプの特に珍しくもなんともない他愛もないやり取りの一つで、そんないちいちわざわざお礼言うようなことでもないじゃん?
更に、この時は「わたしそんなこと言ったっけ?」と自分の言ったことすら覚えていなかった。それくらい本当に日々のよくあるちょっとしたやり取りで、どちらかというと呼吸に近い。何も考えてない。本当に何も考えてないのだ。でもそこに感謝する人ってのは意外と存在する。

何も考えてないからこそ、ありがとうを言われる側は唐突にプレゼントをもらったような気分になる。
嬉しい。

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苦い思い出がある。

30代前半までの飲み歩きのほとんど全ての時間を共有したといっても過言ではない、性的関係が全く無いからこそ気のおけない異性の年上の知人と、ある日、口論になった。
そもそも深夜2時過ぎててお互い相当酔っ払っていたので何度振り返っても本当に何がきっかけだったのか思い出せない。同席していたよく行くレストランのシェフもバーのバーテンダーも「本当に何がきっかけだかわからなかった」と言っている。
口論の末、怒った私は、漫画の一コマのように飲んでいた酒を思いっきり浴びせかけ、席を立って帰ってしまった。同席していたシェフもまた、彼に怒って、やはり帰宅。
とにかくみんななんだか機嫌が悪かった。

付き合いも長いし、言い争いが今までなかったわけではないので「まぁまた飲むときに謝ればいいし」と、そこにいたお店の人を含む全員が思っていた。

ところが、その「また飲む時に」は二度と訪れることはなかった。

彼はその後仕事内容が微妙に変わり、わたしも環境が変わりバタバタと忙しくなり、お互い飲み歩きに割く時間が激減した。連絡は取っていたし、避けているわけではなかったが、とにかくタイミングも悪く、行きつけがほぼ同じだったにも関わらずばったり会うこともなく、そのまま1年が経った頃、共通の知人から、その知人が普段電話をかけてこないような変な時間に留守電が入っていた。

倒れて、意識が戻らない

お通夜の時、棺の前で立ってられないくらい泣いた。人生であれほどショックだったことは一度もなかった。今もこれを書いてて筆が止まってしまう。
なんでいつものように翌日すぐに何事もなかったように連絡しなかったのか、なんで他のことを優先させてしまったのか、何をどう頑張っても後悔しかなかった。
以来、基本的にどんなに怒っても即機嫌を立て直すことにしている。ごめんなさいも光速で言うことにしている。

だけど、よく考えたら、ごめんなさいを言うシチュエーションよりありがとうを言うシチュエーションの方が圧倒的に多いことに気づいた。てかもっと言ったほうがいい。
ごめんなさいよりありがとうをきちんということのほうが、意外と難しい。

そんな自問自答を続けている時、「ありがとう」と言ってくれたのが冒頭の友人だった。

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今年に入ってから暗めのニュースがずっと続いている。
政治経済ネタ大好きニュース中毒のわたしですらTwitter眺めてるとその過剰にギスギスした感じに辟易するようになってきた。例えば誰かが延々と結論の出ないことで言い争っているのを見たなどというわけではないが、全体的にギズギスしてる。

まさに「見えない敵と戦う」感じ。

実際ウイルスは目に見えないのでそうなるのはやむを得ない。もちろん、政治経済議論が多めの情報強者を好んで自分で構築しているTLではあるがいくらなんでも荒みすぎ。

それで、月曜日の深夜、寝る前に

とツイートした。なんかほのぼのニュースないかなーとかそんなノリ。
朝起きてびっくり。二度寝しようかと思ってたけど即目が覚めた。

ちょっと嬉しかったこと、何かがキレイだったとか、何かがおいしかったとか、そんな他愛もないほんとうにちょっとした幸せでリプ欄が埋まってた。中傷とかマウンティングや、議論とか、そういう「負」の行為が絶対出来ないごく普通のシアワセでいっぱいだった。
超感動。もちろん丁寧にお返事しました。お返事することに時間を割いたおかげで荒んだTLをほぼ見ないで終わった。

「Twitterってもともとこういう感じだったよね、そういえば」

と、これを見て友達がメッセージ送ってきた。わたしもそう思う。

全然知らないどこかの誰かの身の回りに起こったちょっといいことを見て自分もなんか幸せになる。もちろん言った本人は誰かを幸せな気分にしようなんて全く思ってない。だって自分の日常に起こったことで他人には全然関係ない。でも不思議なことに聞いた人もなんだか幸せな気分になり「ありがとう」という。お互い何も考えてないのに、そこに生まれるのはあたたかさとありがとう。
ステキ。なんてステキなんでしょうか。
最近忘れてたかもしれないこの感覚は大事にしていきたい。

リプライくれた人、いいねしてくれた人、みんなありがとう

 

オイル・オイル・オイル

「踊るんだよ」

「音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。おいらの言っていることはわかるかい?踊るんだ。踊り続けるんだ何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。そんなこと考えだしたら足が停まる。一度足が停まったら、もうおいらには何ともしてあげられなくなってしまう。あんたの繋がりはもう何もなくなってしまう。永遠になくなってしまうんだよ。そうするとあんたはこっちの世界の中でしか生きていけなくなってしまう。どんどんこっちの世界に引き込まれてしまうんだ。だから足を停めちゃいけない。どれだけ馬鹿馬鹿しく思えても、そんなこと気にしちゃいけない。きちんとステップを踏んで踊り続けるんだよ。そして固まってしまったものを少しずつでもいいからほぐしていくんだよ。まだ手遅れになっていないものもあるはずだ。使えるものは全部使うんだよ。ベストを尽くすんだよ。怖がることは何もない。あんたはたしかに疲れている。疲れて、脅えている。誰にでもそういう時がある。何もかもが間違っているように感じられるんだ。だから足が停まってしまう」
「でも踊るしかないんだよ」
「それもとびっきり上手く踊るんだ。みんなが感心するくらいに。そうすればおいらもあんたのことを、手伝ってあげられるかもしれない。だから踊るんだよ。音楽の続く限り」
オドルンダヨ。オンガクノツヅクカギリ。

村上春樹著 ダンス・ダンス・ダンス

>そして固まってしまったものを少しずつでもいいからほぐしていくんだよ。まだ手遅れになっていないものもあるはずだ。使えるものは全部使うんだよ。ベストを尽くすんだよ。

なるほど。羊男の至言はまるで冬の乾燥した空気でカサカサになりがちの肌と戦う我々へのエールにも聞こえますな。

というわけで今日は「オイル3選」です!(無理矢理)

1. OLAPLEX / No. 7 Bonding Oil
https://olaplex.com/products/no-7-bonding-oil

1580074054846@2x

ボンド系オイルです。ボンドって木工用「ボンド」のそれでダメージヘアをくっつけて修復、美しく見せましょう系。でもわたしの推しポイントはそんなことではない。

香りすぎない香りと速乾

まず、香りはほのかでさわやか柑橘系。グレープフルーツっぽいスッキリとした香りで残りません。アメリカのヘアケア商品ってどの系統(フローラル等)でも香り強めですがオラプレックスは全部「ほのかでさわやか」自分の鼻にも世間の鼻にも優しい。
特筆すべきはマジ速乾。これをつけるつけないでは乾く速度が全然違う。かといってパサつくことはなくヘアオイル初心者にもオススメの一本であります。
届いたとき「は??」って声出ちゃったくらい小さいので割高に感じますが超少量で効果絶大なんでコスパはさほど悪くないです。
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ご覧の通り超小さい。間違って小さいサイズ買っちゃったかと思った。

湿ったようなツヤ感毛束感を求める人には軽すぎるのでオススメしません。

2.The Ordinary”B” Oil 
https://theordinary.com/product/rdn-b-oil-30ml

1580075932883@2x

The Ordinary話になる度に同じことを書いていますが、家出てすぐのところに店舗があるため買いやすい、というのが選んでいる一番の理由。クオリティが良いだけではなく気軽に買えじゃんじゃん使える価格帯というのがこのブランドの最大の魅力。
(もう聞き飽きたでしょ)
このBオイルに関しては全くなんの前情報もなく他のオイル買うついでに買った、という程度。でも予想外に良かった。
スチーマーユーザーに最高にオススメ、なんなら蒸しタオルでいい。

肌プリップリ

顔身体洗ったあと、水分を拭いて(←今までと違う!)焼かれる前の七面鳥くらいかよって位顔にだけ塗った状態で湯気で他人の顔が確認できない位のスチームサウナで顔にタオル掛けて(眩しいので)15-30分放置。要は寝てる。わたしはあまり顔のマッサージが好きではなく、こめかみ押すとかその程度。出て、余分なオイル流して「は??」って声出ちゃったくらい。またかよ。

なんていうのかな…肌の表現に使うオノマトペではないがパリッとした感じ。もちろん実際肌が伸縮するわけではないのであくまで質感の問題ではあるが、パリッとかシャキッとかそいういう擬音を使いたくなる肌になる。そして乾燥しない。しつこく化粧水叩き込んだようなみずみずしさを保つ感じ。同メーカーのスクワランオイルやアルガンオイルとちょっと違う質感。

ただし畳とローズヒップオイルとフィッシュオイルを混ぜたような香りが欠点

しゃけ強め、みたいなね。
最初これどうしよう…と思ったが(シャワールームでいきなり開封して使った)そのためお化粧前などには向かない。スチーマーやら蒸しタオル使う分には問題ない。
お手入れオイル向き。ニオイは残らないです

3. Bio Oil®
https://www.bio-oil.com/us/us-en

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日本では小林製薬が「バイオイル」という名前で販売していて https://www.kobayashi.co.jp/brand/bioil/product/index.html ググると偽物だなどと気の毒な言われようでしたが、バイオイルは日本向け製品(成分等)ってだけで同じです。
値段もほぼ同じ。
ネットサーフィンをしているとサイトの下部等に広告が掲載されてますよね。
そこに「ハリウッドセレブに人気のバイオイルとは」という内容のリンクがあって、踏まずにググって(性格悪い)悪くはなさそうだしオイルフリークとしては見逃せず購入。

オイルはオイルなんだけど、どちらかというと美容液やトロッとした化粧水なんかにテクスチャーは近く、オイルとしては軽く美容液やローションとしては重い。顔にクリーム塗ると体温で溶けて次第に伸びる、その、溶けた状態を予め液体にしてある感じ。
ただし香りが強い。ニベアを濃くしたような香りで苦手な人は絶対ダメなタイプの香り
あまり残らない(流すし)けどわたしは苦手。The香料!みたいなちょっと昭和的な香り。アメリカにはありがちである。

肌ふわっふわ

前述のBオイルのパリッとした質感に対してこちらはふわふわになる。ふわふわが適切でモチモチではない。弾力ではない。ふわふわ。フリースのふわふわとかあの類。
初日は風呂上がりに水分拭いてから顔を含む全身に塗ってテカテカで就寝。朝起きてシャワーで流すと「ふわふわ」過去あまり経験したことのない質感。例えばボディクリームをしっかり塗り込んだ感じとも違うし、オイルを塗った感じとも違う。保湿力も良いがしっとりとは少し違う。「ふわふわ」という表現が適切。謎質感。
就寝前×顔はオイルだけだと物足りない。でもこれは十分。
スチームサウナで使うべく身体洗ったあと全身拭いて塗って、15−30分放置で洗い流しても同じ。ふわふわ。とにかく柔らかい肌になる。
で、この「ふわふわ」が結構ハマる。肌と一緒に心も緩む感じがしてすごく良くて最近の推しに格上げした次第。マッサージにも使えるし、ハンドクリームのかわりにもなるし、お風呂上がりにちょこっとだけ乾燥対策したいなっていう男性にもオススメ。

*日本で小林製薬が販売しているものは香料が違うようでニオイはそこまで強くないらしい
*Bio Oil、家ではなんでもなかったのに、サウナで使おうとしたらモロモロ(美容系用語をご存知ない人向け解説:消しカスのような垢のようなものがモロモロ)した。ジムの風呂と家の風呂は全く同じボディシャンプー(これ)だし、頭洗ってから身体洗ってるので何が原因か全くわからない。水かな…?

*公共のサウナ等での利用は各施設のマナーに従いましょう。
*オイルが床に落ちると×水分で滑りやすく本当に危ないので必ずタオルを敷きましょう。

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挨拶が最後になりましたが、2020年もよろしくお願いいたします

少しずつ向上する。少しずつだけれど、それでも向上は向上だ。

村上春樹著 ダンス・ダンス・ダンス