If this candle is lit, もしこのキャンドルのあかりが灯っていたら

アメリカの動物病院には
“If this candle is lit” (もしこのキャンドルの灯りが灯っていたら)
というお知らせが受付や待合室に置いてあるところがあります。

そのお知らせの文章はこう続きます。

someone is saying goodbye to their beloved pet.
We ask that you speak softly and with respect during this difficult time.
(誰かが最愛のペットにお別れを言っています。
穏やかにその悲しい時間を尊重するように会話してください。)


今日はわたしたちのために、キャンドルのあかりが灯りました。



10年前に家ネコになった元野良のネコ氏は去年の9月に腎臓病が末期の状態で発覚し「次に入院するような状態になったら安楽死を考えてください」と言われたものの、先生も驚くほど奇跡的に回復。もちろんネコの腎臓病は治るのものではありませんが体重も増え毛並みも元通りフワフワになり穏やかな日々が続いていました。

ところが6月に入り突然、全く食事を摂らなくなりました。
いわゆる強制給餌をすぐはじめ、ネコ氏はまるで赤ちゃんのように上手にモグモグと食べてくれ、こぼれたご飯を待ち構えていたイヌがキレイに掃除してくれ、毎朝ゲラゲラ笑って悲壮感ゼロ。おかげで必死にダイエットしてたイヌはあっという間にリバウンド。
次第に食べる量が減っていき、万が一のために買ってあった超魚くさいハイカロリージェルに切り替え、これもウマウマと飲んでいたのですが、お水の入れ物に顔を乗せて寝るようになり、それでもテーブルに飛び乗るし今までオモチャ置き場だったキャットタワーの最上段を開放すると登ってドヤ顔したりして

だけど、

だけど、お別れの日が唐突にきてしまいました。覚悟はしてたけど。

今日6月11日午後、ネコ氏は新しい毛皮と新しい体に交換してもらうべく神様の元へとでかけていきました。可能であればまたアメリカでは超珍しいボブテイル(うさぎの尻尾みたいなしっぽ)にしてもらってね、長いしっぽに憧れてるんだったらまぁいいよ、毛皮はなんでもいいよ。好きなの選んでおいで、と言って送り出しました。ホントだから。これだけをずっと言った。神様の元へ出かける直前まで「ねぇまこちゃん(わたし)のこと好き?」と聞くと「ニャッ」と返事をしてくれていました。かわいい。

気をつけて行くんだよ、モーゼス。
着いたら少しのんびりしなさいね。



——————————————–


ネコはイヌと違って散歩行かないので、かわいがってくれたのはTwitterのみなさんがメインです。
みなさんどうもありがとう。またいつかどこかで逢いましょうって、モーゼスが言ってました。