SNSの先にあるアナログの良さ

今シーズン(2019-2020ホリデーシーズン)は一年ぶりにクリスマスカードと年賀状の中間のようなものを出した。前シーズンは感謝祭にイヌが死んで全然全くそんなものを作る気力がなかったので一年ぶりになる。

年賀状文化が廃れつつある日本からは考えられないかもしれないが、こちらのホリデーカード文化は凄まじい。もともとカード専門店もあるし(紙もの専門店みたいな感じ。ラッピングペーパー等も売っている。例https://www.papersource.com/ )スーパーやドラッグストアにも必ずカードコーナーがある。ホリデーカードは家族写真の写真を使って作成する人が多く、その写真をわざわざ撮る家庭も少なくない。が、カード自体はとても気軽に作成できる。
わたしがいつも使うのはShutterflyというサイト。
https://www.shutterfly.com/
だいたいどこも同じシステムで、スマホに保存されてる写真を使い、デザインやフォント、入れる封筒(差出人の住所も入れられる)をポチポチと選び注文完了。
宛名はシールに印刷したものを貼ればいいし、精神的障壁は意外と低め。

————————————————–

老若男女問わずだれでもSNSをやっている現代、たとえ自分がつながってなくても誰かがつながっているからまぁいいや、と思いがちだ。もちろんわたしもそうだし、特に不便を感じることも困ることもなかっ「た」。過去形である。

一昨年、イヌがもうそろそろだな、という時にどうしても連絡を取りたい人がいた。
もう何代目かわからない位イヌを飼い続けている母より一世代若い年代の近くに住んでいた女性で、わたしは彼女を師だと思っている。
どうしても連絡を取りたいのだが、わたしが知っているのは住所だけ。手紙を書く時間はたっぷりあっても残されてる時間がない。

困った私は「自分がSNSでつながっていて、公園で同じ時間に犬の散歩をしているであろう、彼女と挨拶程度は交わす人」に連絡した。
最近見かけますか?もし見かけたらどうか電話で連絡をくださいと伝えてください。
冷静に考えるとなんて責任重大なことを気軽に頼んじゃったんだろ…と申し訳ない気持ちでいっぱいになる。私だったら翌朝もその翌朝も見つけるまで必死に探すかも…。2-3日後に「電話番号伝えた!」とメッセージが来て、その日の夕方無事に連絡が来た。
年をとって耳がほとんど聞こえないはずの我が家のかわいい老犬さんは、師の声をiPhoneのスピーカーで聞き、ガバっと起き上がりめちゃくちゃしっぽを振った。嘘でしょう?

SNSと古風な近所付き合いの良さが融合した瞬間である。

SNS付き合いも手軽で悪くないし、古風な付き合いもまた悪くない。

—————————————-

住所が変わってる友達に「新しい住所教えて!」とSNSでメッセージを送ると「私も送る!なんか面白いご当地カード探すね!」住所はSNSで聞く、その先は古風なアナログの郵便で届く。この無駄なめんどくささが逆に面白さを生んで、後日届くご当地カードやその人の好きなものに基づいた切手や葉書がー!

1枚目左は在シンガポールの友達。SNSではよく会話するけどもう長らく会ってないんだよね。元気かな。右はハワイに旅行中の友達がわざわざ送ってくれた。しあわせそうで良い!
2枚目を送ってくれたのは人生ずっとネコを飼ってた日本で近所に住んでたおばあさん。FBでつながってる。ご自身の年齢からネコを飼うことを諦めてしまったそうなんだけど、ネコ愛が滲み出てる。葉書もネコなんです。

みんな最高でしょう?

—————————————-

ところで、この記事実は来年のホリデーカードシーズンに、完全に自分のためだけ、自分のカード作成モチベアップのために載せようと思ってた。もちろん手紙や葉書は一年中いつ出してもいいけど、多少誰かのモチベにもなるためにはたくさんの人が出す時期に載せたほうがいい。

土曜日に師からカードとお手紙が来たのです。

師は毎年必ずサンフランシスコのチャイニーズニューイヤーパレードの前後にドンピシャでカードを送ってくれる。4年連続。もしかして調べてくれてるのかな?と思いながら開封。

去年まではわたしの敬称がイヌ友達にありがちな「◯◯(イヌの名前)のママ」だった。
わたしも多くのイヌ友達をそう呼ぶ。◯◯のママ、◯◯のパパ。

今年は「まこ」だった。

わたしはもう◯◯のママではないから。だってイヌはもういない。神様のイヌになってから1年以上経つ。だから呼称はわたしの名前。
他人から見たらなんてことないことなんだけど、そうだよね、わたしもう◯◯のママではないよね、と、なんとなくちょっとシャキッとして前を向き直すきっかけをもらっちゃって…。
さすが師。

—————————————-

アナログ、悪くないでしょう?